うちには犬が2匹いる。SPUD(スパッド)は16才の老犬だ。
人間に例えるならもうとっくに80才は越えているだろう。腰と後ろ足がめっきり弱く(リューマチだ)、
ガレージやキッチンなど地面のよくすべる所ではよくこけている。
それでも元気はある。ボールを投げてやると取りに行くがもう持ってくる体力がない。
ご飯時にはチビのJJ(ジェイジェイ)が呼びに行く。
その時に事件がおこる。
JJはいつも吼えながら、庭で寝ているスパッドにご飯を報せに行く。じゃれている積りなのだろうか、JJはスパッドの首辺りを噛み付く。
すると腰の弱い大型犬のスパッドが倒れて、何とも言えないグオーン、グオーンという悲痛な声を出す。まるで断末魔のような声だ。
家にいる者がみんな吃驚して外に飛び出すくらいの、悲壮な泣き声だ。
3年前まではJJなんてまるで相手にしなかった、前足でJJを押えつける位、威風堂々としていて、大型犬の貫禄があった。
それだけに立場が逆になったいま、過酷な自然界の生き様を見せられる。
私だって元気はあるが体力が全くない今、いくらあがいてもどうしようもない。
せいぜい食べ物に気をつけ、適量の運動を欠かさない事だ。
チビのJJの方に皆の人気が高い。
でもボクはこの老犬がこよなく愛しい。
いつもハグをしてやる。それが気持良いらしい。
最後まで愛情を注いでやりたい。