Wednesday, April 13, 2005

粘り勝ち(その1)

下の息子がハリウッドにある有名なレストランで働く事になった。俳優を含めた芸能人がよく来る店で、ウェイターをやるとチップの実入りが相当良いらしい。

忙しい店で其々の担当が専門分業になっている。

造る人料理人(Cook)、オーダーを仕分けするエクスペダイター(Expediter)、オーダーをテーブルまで運ぶフッドランナー(Food Runner)、オーダーを取るウェイター・ウェイトレス(Waiter/Waitress),水を注いだりテーブルを片付けたりするバスボーイ(Bus Boy)と5段階になっている。こういうレストランはごく稀だ。普通小さな店だと料理人とウェイターだけだ。

随分と張り切ってその店で働き始めたが、最初の約束と違いフッドラナーをやらされた。まあ最初だから辛抱したが、後から入ってきた明らかに彼より経験の少ない金髪女性がウェイトレスとして5人ほど採用された。彼は頭に来て、自分はウェイターとして雇われたのにどうしてなれないのか。このままの状態が続くのは私には納得が行かないと再三再四抗議した。

それでも3ヶ月経って状態が変わらないので2週間の通告を出し止める事を決意、他の店で働くこともすでに決めた。最後の夜、マネジャーが来て「残って欲しい、止めないでくれ。一月の間にウェイターにするから」との約束を取り付け、彼は残ることにした。

その報告をしに昨夜来た。粘りがちだ。ただの粘りではない、彼は認められるほど一生懸命フッドラナーの仕事をこなした。マネジャーだけではない、他の人も皆認めてくれていると自慢げに言っていた。与えられた仕事に忠実に全力を尽くして仕えると次のチャンスが待っている。周りが認める。

彼はその事を報告している間中、得意になっていたのか、鼻がぴくぴく動いていた。

安藤秀世(サウスベイジャパニーズクリスチャンフェローシップ教会牧師)

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