試行錯誤
時間があると、時々窯元に行く事がある。焼き物は好きだ、でもあまりにも高価すぎて手が出ない。気に入った安い湯飲みか、小皿を買う程度だが、それも楽しみである。
ある時ホテルでテレビを見ていたとき、まだその当時ご存命であられた人間国宝の浜田庄司氏が出ておられた。柄杓で釉薬(ゆうやく)を救い上げ、サッサッと大皿に振りかけて模様を入れられた。その間わずか10秒程度だ。それでその大皿がなんと150万円もする。
たったの10秒だ!!
しかし、その後の一言に重みがあった。「これは60年プラス10秒です」。
なんと含蓄のある言葉かと、ひとしきり感心してしまった。
積み重ねてきた歴史の重みには、大きな価値があるということだ。
血の滲むような汗と涙と苦労があったに違いない。試行錯誤を重ね、思い悩み抜かれた末の10秒だったのだ。
心してボクも人生に少しは重みをつけて行きたいものだ。
安藤秀世(サウスベイジャパニーズクリスチャンフェローシップ教会牧師)
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