大きな愛
私はカルカッタに行くまでは、マザーテレサの事を話したことも考えた事もなかった。
彼女の生き様や葬儀の事はテレビで見たくらいの知識しかない。彼女に関する本を読んだ事もなかったし写真展にも行かなかった。
あの『死を待つ家』の建物の中に立ち尽くして以来、よく彼女の事が頭の中をよぎる。又彼女の言った言葉が頭の中で響く。
「色褪せた青いサリーをはおって、擦り切れたサンダルを履いた小柄な猫背の女性があるノーベル賞を受賞した。絢爛豪華なホールにはブラックタイや正装の紳士淑女が居並んでいる。
世界中の富豪、各界の有力者、優れた業績を残した科学者や知識人たちである。錚々たる顔ぶれに囲まれて、その中央にサリーにサンダルの小柄な老婦人の姿あった。
インドで貧困と飢餓と病気に苦しむ人々の為に献身するマサー・テレサである。(中略)どんな富豪も有力者も彼女の豊かさの前には顔色なしである。
この世の害悪にめげる事のない黄金の武器、慈愛の心を力としているからであり、人が生きている限り尽きる事のない愛を富としているからだ。」(ロバート・フルガム)
神の言葉に忠実なだけの人である。
信仰を土台としてあるがままの力と才覚を活かしてその場その場で出来る事を実行している。たった一人で小さな行いで世界をドンドンと変えてゆく。
彼女のように平和を作り出していく人になって行きたい。
平和とは実に「与える事」であることを彼女を通して学んだ。
『私達は大きなことは出来ません。ただ、大きな愛を以って小さな事をするだけです』(マザー・テレサ)
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