とんびに油揚げ
朝市の店を冷やかしながら歩いている時、突然 バサッ!! という音がすぐ近くで聞こえた。 と同時に キャッ!! とオバちゃんの可愛い声(たぶん、ギャー だったかも)。
またまた、すわっ、何事と思ったら、くだんのオバちゃん半べそかきながら上を指差す。
食べようと思って手に一杯サンプルの品を持っているのを、な、な、なんと鳶(とび、又はトンビ)がさらって行ったのだ。*「とんびに油揚げさらわれる」とはまさにこのこと。
いきなりの事でビックリしただろうな。
初めての経験に違いない、こんなことって。
ところがタクシーの運転手や地元の人は平気な顔していた。
上を見上げたら、屋根に何羽かのトンビが止まって、鋭い目つきで獲物を狙っていた。(都会だと普通はカラスなのに。)
* 当然自分の物になると思っていたものを、思いがけず横合いから奪われて、呆然とするさま(広辞苑)
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