群集心理
能登の朝市での話。
河豚(フグ)や鯖、鰯、鱈などの糠漬けが売られている。
これは珍しい糠漬けだ、保存食らしい。海藻類、干し魚、色々と新鮮な海の幸、新鮮な野菜類などが所狭しと並べてある。
大勢の観光客がぞろぞろと店を物色。適当にサンプルをつまんで、食べ歩きをしている人、人、人。
突然大きな声がして、フト見ると、店の親父さんが何か客に対して怒っている声だ。
店の人が客に大声で怒っているなんて珍しい光景ではないか。
すわッ、なにごと!? 野次馬根性よろしく店の前まですっ飛んで行く。
なんと!! サンプル皿が空になったので、陳列してある売り物の皿から客が手を伸ばして、取って食っているではないか。
信じられない光景だ。サンプルではなく商品を食べているのだ!?
群集心理というのか、次から次へと、手がその商品に伸ばされてゆく。
そりゃ怒るわな、オバちゃん。 そりゃないで〜〜、いくらなんでも。
旅の恥はかき捨て、といえその言葉やアクセントで何処から来たか、すぐ判ったで〜。
「あんたら恥ずかしいと思わんのか!! これは完全に盗人のする事と同じやで!!」
店の叔父さん顔を真っ赤にして怒ってた。
商売どころではない。 この人早々に店仕舞いして帰りそうな剣幕だった。
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